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チバ・ゲスト・シンポジウムの提言を受けて1962年

アメリカ学派は、チバ・ゲスト・シンポジウムの提言を受けて1962年アメリカ胸部疾患学会 (ATS) において慢性気管支炎、肺気腫、気管支喘息の三つの異同について討論し[10]、慢性気管支炎はイギリス学派と同様に臨床像により決定される疾患であること、肺気腫は主に病理形態学的な概念であることが確認されたが、肺気腫の臨床的側面について言及し、また上記三疾患を独立した疾患とするなど概念の完全な統一には至らなかった。その後イギリス学派のフレッチャーとアメリカ学派のバロウズらによる共同研究が行われ[11]、肺気腫・慢性気管支炎(および気管支喘息の一部)を包括した概念として「COPD chronic obstructive pulmonary disease 」[12]、「COLD chronic obstructive lung disease 」[13]といった用語が提唱され、またその他「CAO chronic airflow obstruction 」「CAL chronic airflow limitation 」などの用語も提案された。1965年アメリカ胸部疾患学会は、慢性びまん性の気流制限をきたす疾患を「COLD」と呼び、A型、B型、および分類不能のX型に分類した[14]。

ATSによる慢性閉塞性肺疾患の分類(1965年)
A型 - 肺気腫型、赤やせ型 (pink puffer) ともいう。チアノーゼはなく、痰は粘液性で少量。
B型 - 慢性気管支炎型、青ぶとり型 (blue bloater) ともいう。チアノーゼを呈し、多量の膿性痰が出る。
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1968年気流制限やガス交換は径2mm以下の末梢気道病変によることが示され[15]、COPDの病態として細気管支領域の病変が重視されるようになった。1975年アメリカ胸部疾患学会 (ATS) とアメリカ胸部医師会 (ACCP) の合同会議において気管支喘息は(オーバーラップはあるものの)COPDから切り離され、また末梢気道病変(細気管支炎)がCOPDの病態に関係することが指摘され、現在のCOPDの概念の基礎ができた。その後、慢性気管支炎にみられる気道分泌過多や気道感染は気流制限には関与しないこと、気流制限は末梢気道病変が関与するのに対し気道分泌過多は中枢気道病変が関与すること、気道分泌過多と気流制限は両者とも主に喫煙によるものであるが、その二つには相関がないことが示され、痰の分泌過多から感染をきたし、感染により進行して気流制限を呈するようになる、という慢性気管支炎の病期のプロセスは否定された[16]。末梢気道病変の重要性に関する知見が集積されてきたことにより、COPDの概念に見直しが迫られ、1986年ATSは、COPDと気管支喘息の診断と治療に関する声明を発表した[17]。ここでCOPDは非可逆的な気流制限であること、COPDには肺気腫、慢性気管支炎、末梢気道病変 (peripheral airway disease) の3つが含まれることが記載された。

また、疫学調査等からCOPD患者、COPD予備軍が非常に多く、世界の死亡者数の上位を占めることが示され、1990年代世界各国でCOPDの診断、治療、予防のガイドラインが出された。日本においても、日本呼吸器学会が1999年「COPD(慢性閉塞性肺疾患)の診断と治療のためのガイドライン」を発表した。 さらに1997年、WHOとNHLBI、NIH は、全世界的なCOPDの予防と治療を目的として、GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease、慢性閉塞性肺疾患に対するグローバルイニシアチブ)という国際機関を発足させ、 2001年COPDガイドライン[2]を発表した。ここでは従来のガイドラインと違い、COPDを肺気腫、慢性気管支炎、末梢気道病変などの個々の疾患概念に分類したり異同を論じたりすることはせず、COPDを一つの疾患単位として扱うようになった。

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2009年06月10日 13:58に投稿されたエントリーのページです。

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